日本人は、空、草木、鳥獣、布の染めに、千を超える色名を授けてきました。 本図鑑は、その色を季節という時間の流れに沿って読み解く、デジタルの巻物です。
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桜にも撫子にも、花弁の紅にはたくさんの段階がある。日本の春の色は、強さよりも、ためらいの濃淡で語られる。
藍は日本の夏の血だ。井戸水、夕立、浴衣、海。涼を呼ぶ青を、私たちはあらゆる名前で呼んだ。
燃える紅葉、しずまる小豆、媚びる茶。秋の色辞書は、もっとも豊かで、もっとも饒舌である。
白は無ではない。胡粉、卯の花、白磁、生成り。雪国の語彙ほど、白を細やかに分ける。
色名は、 その時代を生きた人々が世界に手渡した、 ささやかなギフトです。
本図鑑が、 あなたの目に留まるひとつの色との、 静かなはじまりになりますように。